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Date 2025-08-19
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Results
1リンカーの異なるscFv-T3APの設計
scFv-T3APは、scFvのVHとVLの間およびscFvとAPの間にフレキシブルリンカーが存在する。今回は、これをFLFLとする。さらに、この二つのフレキシブルリンカーをそれぞれPLリンカーに変更したFLPL、PLFL、PLPLを設計し、異なるリンカーがscFv-T3APの活性に与える影響を検討した。
2リンカーの異なるscFv-T3APの生産
2-1SDS-PAGE、Western Blottingによる発現確認
分子量について、FLPLおよびPLFLは73.330 kDa、PLPLは74.539 kDaである。添付資料Fig. 2-1-1より、70 kDa付近でバンドが見られたことから、リンカーの異なるscFv-T3APについて発現が確認できた。
2-2リンカーの異なるscFv-T3APの定量
添付資料Table. 2-2-1より、FLFLおよびFLPLは同程度の生産量であり、PLFLおよびPLPLは、FLFLとFLPLと比較し生産量が少ないことが分かった。これにより、scFvのVHとVLの間のリンカーは、フレキシブルリンカーである方が生産量は多くなることが示唆された。
3リンカーの異なるscFv-T3APを利用したELISA
3-1直接ELISA
添付資料Fig. 3-1-2より、リンカーの異なscFv-T3APはそれぞれ抗原認識力を持っており、抗原認識後もAPの活性を保持することが明らかとなった。また、その活性はFLPL、PLFL、PLPL、FLFLの順に活性を高く持つことも示されている。
3-2Sandwich ELISA
添付資料Fig.3-2-2より、リンカーの異なるscFv-T3APはそれぞれ数ng単位の抗原を検出可能であることが示された。また、PLFLおよびPLPLと比較し、FLFLおよびFLPLの方が低濃度の抗原を検出していることから、scFvのVHとVLの間のリンカーの種類によって抗原認識力に差が生じていることが示唆された。
4リンカーの異なるscFv-T3APを利用したCLEIA
添付資料Fig.4-2より、リンカーの異なるscFv-T3APを利用し、CLEIAで抗原を検出することが可能であることが分かった。また、検出限界については、ELISAと同様にPLFLおよびPLPL と比較し、FLFLおよびFLPLの方がより低濃度の抗原を検出できることが示されている。
5リンカーの異なるscFv-T3APを利用したLFIA
添付資料Fig.5-2より、リンカーの異なるscFv-T3APを利用し、LFIA法で抗原を検出することが可能であることが分かった。また、1 ng/mLの濃度の抗原を検出できることも明らかとなった。さらに、添付資料Fig.5-3より、FLPL、FLFL、PLFLおよびPLPLの順により低濃度の抗原を検出できることが示唆された。
keywords: alkaline phosphatase, ELISA , CLEIA , LFIA, scFv-AP